第一回 黒留袖
「黒留袖」とは…
きもの と一言で言ってもその種類や分類方法は様々あります。決まりごとが多く、分かりづらいと感じる方も中にはいらっしゃると思います。
しかしながら、そこには日本美とも言える 物言わぬ想い が秘められているものです。
そこで、「きもの知識欲」と題しまして、皆様に きもの に秘められた想いを知って頂けたら幸いです。
本日は第一回目として 黒留袖 を紹介いたします。
■留袖とは…
留袖とは婚礼時の列席者衣裳となります。お召になるのは、ご新郎ご新婦ご両家の母上様、仲人様、並びにご親族の女性となります。
種類は、色留袖と黒留袖の二種あり、それぞれにルールがあります。
きもの柄からわかる留袖の特徴としては、
お着物の縫い目で柄が途切れずに一枚の絵になる 絵羽模様 が描かれている きもの である事です。
また、裾ののみに柄が描かれている点も胸元や袖にも柄がある付下げや訪問着とは異なる点と言えます。
■黒留袖 = 既婚女性の慶事第一礼服
黒留袖とは、染め抜き日向(ひなた)五つ紋付きの慶事第一礼装です。
慶事第一礼装とは、結婚式や披露宴などがその代表例となります。
生地には 一越縮緬 (ひとこしちりめん) が使われ、元来は白羽二重を重ねてお召になりますが、
現代では簡略化され衿、袖口、振り、裾、衽(おくみ)だけ2枚重ねに仕立てた 比翼仕立て (ひよくじたて) が多くあります。
染め抜き日向紋とは、複数ある紋の付け方の中で最上格となります。紋の形を面で染め抜き、枠を墨描きしたものです。
■黒留袖をお召しになるのは…
黒留袖をお召になるのは、新郎新婦の母親、叔母(伯母)、姉妹、従姉妹など親族や仲人夫人の既婚女性です。
■こぼれ噺: 黒留袖の別名称: 江戸褄
元々、江戸褄 (えどづま) とは「大奥」の女性が身につけたお引き摺りに施された模様の事で、黒留袖に多く見られる柄として現代では 黒留袖 そのものを指します。江戸褄模様は褄 (≒ 衽: おくみ) にのみ描かれており、大江戸褄模様など模様が描かれる位置によって細かく名称があります。 (また、対となる柄名称として京都島原の 島原褄 があり、その違いは柄が配されている範囲が異なります。)
■最後に
「きもの知識欲」第一回目の本日は、慶事第一礼装 黒留袖 をご紹介いたしました。
留袖には、最上格の きものでご新郎新婦の末永い幸福を心から願い、最上の慶びが込められています。
錦屋マリエマリエ では、きもの 販売・レンタル部門として、四谷本店(東京)、
婚礼衣装レンタル部門として、日枝あかさか衣装室(東京 赤坂)、
香取神宮衣装室(千葉)、並びにホテル日航成田衣装室(千葉)を構え、日々、皆様のお越しを心からお待ちしております。
ご新郎ご新婦様の 婚礼衣装、お留袖やお振袖など弊社が自信を持ってお貸し出来る きもの を多数取り揃えております。
お電話でのお問い合わせの他に、メールでのお問い合わせも受け賜っておりますどうぞお気軽にお声がけ下さい。